低体温は免疫を低下させる

身体を守るシステム

私達の身体の免疫システムには二つの仕組みがあます。人にもともと備わっている「自然免疫」と、もう1つは「獲得免疫」です。ハシカやおたふく風邪などの免疫で知られているように、この免疫は1回感染すると体内で抗体が出来、2回目からは同じ感染症にかからない仕組みをいいます。 一方、私達の身体を動かしているもう1つの大切な仕組みに自律神経があります。私達は自分の意思で心臓や胃腸を自由に動かす事は出来ません。このように自分の意思と関係なく生命維持に不可欠な機能をコントロールしているのが自律神経です。自律神経には交換神経と副交感神経という二つの系統があり、それぞれが脳の視床下部から指令をうけて働いています。ところが、この自律神経が免疫システムと深い関わりがあることが明らかになって来ました。安保先生の理論によれば、免疫で重要な働きをする免疫細胞のなかの「顆粒球」と「リンパ球」の二つは、実は自律神経と密切な関係があり、交感神経優位の時は顆粒球の働きが活発になり、副交感神経優位の時はリンパ球の働きが活発化すると言うのです。即ち、「顆粒球=交換神経」「リンパ球=副交感神経」という図式が成立すとしています。 (参考文献「体温免疫力」講談社インタ-ナショナル出版、安保徹著)

顆粒球とリンパ球の働き

もう少し免疫を理解するために、血液の話しをしたいと思います。血液は細胞成分と血漿成分からなり、細胞成分には「赤血球」「血小板」「白血球」があります。さらに、白血球には先程から出ている「顆粒球」「リンパ球」や「マクロファージ」があります。その中で顆粒球は白血球全体の約60%を占め、最大勢力を誇り細菌との戦いで重要な働きを担っています。特に顆粒球の特徴は抗体免疫を働かせないうちに侵入してきた細菌を退治してしまう役目があります。炎症を起こして膿を出したり、傷口の膿やニキビの膿、緑色の鼻水などはこの顆粒球のしわざです。   次に「リンパ球」の話しですが、白血球が退治できなかったウイルス等の抗原に対しては「リンパ球」が力を発揮します。リンパ球には指令を出すヘルパーT細胞、敵と直接闘うキラーT細胞、抗体を敵に投げつけて闘うB細胞、攻撃能力を持つNK細胞、そして、年をとってから増え出す胸腺外分化T細胞などが、身体を監視して細胞の異変から守ってくれています。

体温が低いと弱くなる

ウイルスや細菌に感染すると必ず発熱が始まります。このように体温と免疫システムとは非常に深い関係があります。身体は40度前後の高熱を発するのは細菌を攻撃している証拠です。当然生命も危険と隣り合わせにありますので、生死をさ迷う状態が生じます。見事細菌に対して免疫が打ち勝てば生還することになります。ですから例え軽い風邪でも解熱剤を飲むのは、本来は正しいやり方ではないと言えます。   人は体内温度を37、2度がよいとされていますが、外気に触れる体表は36.5度くらいで平熱とされています。人はこの体温が下がると免疫が正しく維持できず、免疫を代表される顆粒球やリンパ球の働きが、充分発揮できないため侵入してきた細菌やウイルスにたちまち占領されて病気に罹ってしまいます。「冷え性」の人で健康な人は一人もいないように、全ての病気の始まりといえます。先生によれば、身体を冷やす物を食べたり飲んだりしない事、冷房にあたりすぎない事を勧めておられます。また、積極的に運動をする事や入浴をして血行の循環を促進する事を奨励しておられます。 そこで、一考に値するのが遠赤外線を利用した温熱発汗健康法です。身体を深部から温めることが出来、冷え性対策に最適です。「体温免疫力」の向上のみならず、自律神経のバランスを取る効果があると言われています。

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