HSP「熱ショックタンパク質」がガンを治す

「HSPが病気を必ず治す」と言う本がガン患者の間で話題になっています。著者は愛知歯科大学医学部助教授で、医学博士の伊藤要子先生です。 出版に当たり、先生は本の題に「必ず治る」と言う言葉を使いたくなかったそうです。     そこで実際に「HSPマイルド加熱療法」でガンが治った患者さんに「必ず」と言う言葉を省きたいと話したら、患者さんから反対されかえって励まされ、決意してつけた題名だそうです。本の概要を紹介します。

1度の差が細胞の生死を分ける

どんな細胞でも42度では生きていますが、43度では死滅します。この1度が生死を分ける境目です。ガンの温熱療法はこの43度でガン細胞を殺す方法です。それに加えて「血管構造の違い」を利用する方法です。体を温めると血管は拡張して、血流が増加し、早く流れ出します。すると、体温は血流と共に流れて1ヶ所に温度は留まっていません。この様に正常細胞では、加熱した部分にはそれほど温度が高くなりません。ところが、ガン細胞の血管は、どんどん分裂するガンに栄養を取らせるため、新しい血管を作ります。しかし、その血管は未熟な弱い血管ですので、この血管に温度を加えても血管は拡張せず、血流も早くなりません。ですから、がん細胞の熱は逃げ出さず、温度が43度以上に達して最後に死滅してしまいます。ところが温熱にはもう一つ良い事が起こっています。ガン細胞は43度で死滅し、なくなりますが、周辺の正常細胞は43℃以下の40度~41度位までしか上がりません。そこはHSPが増加しますので、NK細胞など免疫細胞を活性化して、癌への攻撃に効果を発揮します。  このように温熱療法はガン攻撃と正常細胞強化の一石二鳥の効果があります。

化学療法との併用に効果がある

化学療法は、「毒をもって毒を制する」やり方で、毒ガス攻撃に似ています。抗がん剤で遺伝子を攻撃しガンを殺していく療法です。当然、吐気や髪の毛が抜けるなどの副作用が激しく出ます。また正常細胞も大きな打撃を受けます。ところが温熱療法を併用すると、血管が拡張し血流が良くなり、抗がん剤がガンに取り込まれやすくなる為、抗がん剤は5分の1から10分の1に減らしても抗がん剤の効果が十分得られるそうです。当然、副作用も軽減できます。また、温熱療法は抗がん剤で傷ついた正常細胞の再生修復効果がありますので、治療の回復が早まる効果があります。

放射線治療との併用

放射線はガンのような無制限にどんどん増える細胞に有効です。しかし、放射線でも、ガン細胞を完全に破壊し切れず一部残ってしまいます。しかし、温熱療法では放射線では殺せなかったガン細胞を処理する働きがある事が解っています。また、放射線は正常細胞を傷けます。その傷ついた正常細胞を温熱療法でHSPを増加させることで、細胞の修正や再生をしてくれます。このように温熱療法は放射線療法と併用すると非常に効果があります。

がん抗原提示能力を強める

温熱療法は免疫にも深く関係しています。体を温めるとHSPが増加して「抗原提示」を増強してくれる働きがあります。「抗原提示」とは、細胞に「印」をつけてリンパ球に知らせてくれる仕組みです。例えば、ある細胞が「がん細胞」であるとすると、「この細胞はガン細胞だ!」と認識できるように「印」をつけるのです。「印」が付いている細胞はリンパ球が直ぐに見つけて攻撃して退治してくれる訳です。とこが、この抗原提示がうまく行かないと、リンパ球は気付かないため癌細胞は素通りしてしまいます。こんな時、温熱療法でHSPがたくさん増えていれば、抗原提示が正確になされます。すると がん細胞はリンパ球に攻撃されて消滅するわけです。 この様に、温熱療法はガン治療に素晴らしい効果を発揮しています、特に、伊藤先生の遠赤外線サウナを活用しての実験が注目されています。

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